【インタビュー】Uru「remember」(「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」主題歌)リリース記念インタビュー

聞く人を包み込むような歌声と、神秘的な存在感で注目を集めるシンガー「Uru」。

Youtubeチャンネルでの、アレンジ、歌唱、撮影など全てを自身で行うカバー動画で話題を呼び、2016年にメジャーデビュー。以降、TBS金曜ドラマ『「コウノドリ」主題歌「奇蹟」や、TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』EDテーマ「フリージア」といったタイアップ楽曲のリリース、そして毎回即日完売という幻想的なライブ等、シーンに確かにその名前を浸透させています。

そんな彼女のニューシングル「remember」は、9月29日(土)全国ロードショー「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」主題歌に決定しています。映画館での予告などで、既に耳にしている方も多いのでは?

AAC[320kbps] FLAC[96.0kHz/24bit]

 

 

今回は新曲の配信を記念して、Uruさんご本人からお話をメールインタビューの形で伺う事が出来ました。

楽曲制作の話題から「夏目友人帳」の事、今後の活動など一つひとつの質問に丁寧にお答え頂きました! 以下よりご覧ください。

 


 ―――今回の楽曲「remember」は作詞に加えて、シングル表題曲では2ndシングル「The last rain」以来の作曲もご自身で手掛けられています。これまでの楽曲の中でも特に暖かいメロディーという印象を受けるのですが、「劇場版夏目友人帳~うつせみに結ぶ~」の主題歌となっている事も影響しているのでしょうか。

Uru 夏目友人帳の世界観が、すごく優しくて、頭に浮かんでくる景色もものすごく綺麗なので、そのイメージに合うような曲を作りたいと思いました。
最初はこの曲ではない曲を書いていたのですが、出来上がって聴いてみた時に、何かどこか違うなという感じがして、もう一度原作や脚本を何度も読み直した時に感じた素直な気持ちをそのまま曲にしました。

―――作曲の際は、ピアノをお使いになりますか?また、詞やメロディーが浮かびやすいシチュエーション等がありましたらお聞かせ下さい。

Uru ピアノで作曲することが多いですね。曲によって、ピアノの音色を少し重たい音に設定して雰囲気から入ったりすることもありますが。詞は、机に向かって「よし、書くぞ」という時よりも、散歩をしていたり、お風呂に入っていたり、車とか新幹線の中などでよく思いつきます。

 

―――詞では、「遠い場所」という言葉が繰り返し使われています。他に別れを連想させるようなフレーズなども散りばめられていて、楽曲全体の印象としては暖かさの中に切なさも同居しているように思えるのですが、具体的に「遠い場所」という言葉に込めたイメージはございますか?

Uru この曲の中では、「遠い場所」というのは、そのあとの「離れたとしても」という例えとして使っています。例えば、「どんなに遠くに行ったとしても」一緒に過ごした時間というものは確かにあって、その時間が輝くものであればあるほどに絶対に忘れられないものになると思うんです。別れは切なくて悲しいけれど、そこがどんな名前の場所で、どんなに遠くても、「記憶」の中ではずっと息をし続ける、「ずっと忘れないからね」という想いは、旅立つ側も、見送る側もきっと一緒なんだろうなと思いました。

―――作詞の面で今回「夏目友人帳」に影響を受けた部分はありますか?

Uru 主人公の夏目がずっと閉ざしていた心を、出会った周りの人たちに温められることによって少しずつ開いていくという成長もこの夏目友人帳のグっとくる部分でもあって、そしてその痛みを知っているからこそ出会う妖(あやかし)たちに心を揺らしたり、自分を重ねたりするんです。これは私たちの日常にも言えることだなと思いました。優しさをもらう事で優しさを知って、そして自分も誰かに優しくできる。そういう一つ一つの出会いから知らない間に学んでいることってきっとたくさんあるんだろうなと思いました。

「雑音の多い日々に嫌気もさすけど、ひょっとしたら耳を澄ませているのは僕の方かもしれない」とか「温かくても溢れる涙を知った」とか、夏目友人帳にはハッとするようなたくさんの名言があって、本当に歌わせてもらうことができて良かったなと心から思いました。

 

―――楽曲ごとにアレンジは様々な方が担当されています。今回のようにご自身で作曲まで手掛けられた場合は、アレンジも具体的な自分の中のイメージをアレンジャーに共有するような形で進めていくのでしょうか。また、実際に今回の「remember」のアレンジでこだわった部分がありましたらお聞かせください。

Uru そうですね、自分の中のイメージを伝えたり、具体的な部分を挙げて相談する時もあります。

夏目友人帳の柔らかくて優しい雰囲気をとにかく大事にしたかったのと、サビの部分では、抑えていた感情が一気に溢れ出すようなイメージにしたかったので、アレンジもサビに向けて壮大に広がっていく感じにしてもらいました。

でも、トオミさんはいつもものすごく素晴らしいアレンジをしてくださるので、信頼しきっています。笑

 

―――デビュー以前から人気のピアノ弾き語り形式でのカバーですが、今作では「フリージア」のセルフカバーと、山崎まさよしさんの名曲「One more time, One more chance」が共に収録されています。

ご自身の楽曲と他アーティストのカバーで、アレンジや歌唱に際しての心持の違いはございますか?

また、それぞれこの2曲を今回セレクトした理由も差し支えなければお伺い出来ればと思います。

Uru 他のアーティストの方の曲をカバーさせて頂くのはこれまでもやってきたのですが、やはり自分の曲をセルフカバーするというのは難しかったです。

原曲からただピアノと歌だけを抜き取っただけの曲になってはいけないというのと、ピアノバージョンにするには、そのピアノの色や一つ一つの音が歌とマッチしていて初めて完成するものなので、歌い方や声の雰囲気などもピアノバージョンならではのものにするべく、歌ってみました。

山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」は、ずっと良い曲だなぁと思っていて、いつか歌ってみたいなと思っていたので、今回歌わせて頂きました。

いつ覚えたのかよく覚えていないですが、サビを繰り返すのがすごく印象的で、気づいた時にはもうすでに名曲としてインプットされていました。

山崎さんの独特な歌いまわしや雰囲気がすごく素敵な曲なので、それを自分が歌ったらどんな風になるかなというのは自分でも少し興味がありました。

 

―――これまで同様、今回のシングルはハイレゾ音源でも配信されます。繊細なピアノや歌声の倍音など、Uruさんの楽曲でもハイレゾ音源の良さが発揮されそうなポイントは多く見受けられます。普段ご自身で音楽を聴かれる際、リスニング環境や音質面でのこだわりはございますか?

Uru 制作の時は細かい音まで聴きたいので、インターフェースを通してヘッドフォンで聴いたりしていますが、普段音楽を聴く時は逆に、たくさんの方がこんな風にして音楽を聴いてくださっているのかなという環境で同じように聴いたりしています。車のオーディオとか、音楽プレイヤーにイヤホンを繋げたり。使われているイヤホンのランキングを見たりとか。笑

 

―――「remember」は初のアニメ映画主題歌となっていて、また来年2019年の3月にはTOKYO DOME CITY HALLでご自身にとって過去最大規模のワンマンライブも控えています。今後の活動の展望や、歌ってみたい楽曲、挑戦してみたいジャンル等のイメージがありましたらお聞かせ下さい。

Uru 私はバラードのイメージが強いと思うのですが、実はアップテンポの曲も歌ったりしていて、シングルのカップリング曲などで私の違う雰囲気も知ってもらえたりするのですが、アップテンポな曲にももっと挑戦していきたいですし、遊び心のある曲なども作っていきたいなと思います。

TOKYO DOME CITY HALLでのライブは、今まで行なった単独公演の中でも一番大きな会場になりますが、いつもものすごく照明の演出が綺麗なので、そういう私のライブの特徴でもある部分を大切にしつつ、来て下さる方が穏やかで楽しい時間になるようなライブにしたいです。

 

―――最後に、このインタビューを読んでいる皆様に一言お願いいたします。

Uru 毎回、制作では、一音一音、細かな単位で何度も聴き直して、やっと一つの曲が出来上がります。奥の方で「お、そんな動きをしているのね」という音や、縁の下の力持ちタイプの音や、リーダー的存在の音、聴けば聴くほどに味が出てくる事が自分でもあるのですが、素直な曲の第一印象を楽しんだり、歌を聴いたり、ハイレゾで奥の奥の音まで楽しんだり、色々な聴き方をしてもらえたらなと思います。

そして、みなさんが「出会い」や「別れ」を思い出した時に、この「remember」がそっとそばに寄り添えるような曲になってくれたらすごく嬉しいです。

 

―――本日はお忙しいところ、誠にありがとうございました!


楽曲に込めた想いや、夏目友人帳という作品との出会いが今作に与えた影響など様々な事が伺えるインタビューでした。ぜひ、一つひとつのこだわりをより感じられるハイレゾ音源も一緒にじっくり堪能してみて下さい。

また、早くも次作のシングルリリースが決定!

10月からスタートするTBS系火曜ドラマ『中学聖日記』の主題歌として「プロローグ」が12月にCD発売されます。唯一無二の歌声、世界観がまだまだ多くの方に広がっていきそうです。


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